日々のだらだらを


by catsleeps
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

世界の経済法概観

正式なタイトル、テーマはわかりませんが。
僕が聞いたのは、アメリカの特徴の途中から。

**********************************
アメリカでは、
1)企業結合は、もっぱら水平だけが問題になって、
垂直はあんまり問題に取り締まられなくなってきている。
2)エンフォースメントの主流が私訴、裁判所を通じてのもの。
3)経済学的な分析の導入が著しい。

アメリカは総じて自分たちの反トラスト法が正しいと思って、
各国をそれに従わせようとしている。

1)それは、ヨーロッパ各国に反トラスト法がなかった時代から、
反トラスト法を先駆けて有し、いくつもの判例を通じて「正しい答え」を、
出し続けてきた、という自負があるから。
2)第二次世界大戦後に、日本とドイツを占領して、財閥をみたときに、
経済力の集中が政治に影響を及ぼし、戦争に至るという過程に気づき、
市場経済をコントロールすることが戦争を回避するために有効な手段だと思ってるから。

これに対して、ヨーロッパ。

反トラスト法はアメリカから輸入されたものという誤解があるが、
そんなことはない。

先駆けて経済法を持っていたのはドイツ。

ドイツでは、最初に「正しい競争の過程」というものが観念されて、
それを阻害するものを取り締まるべきだ、ということになった。
「それを阻害するもの」が、abuse(力の濫用)という概念になる。
また、これは、ローマ条約を通じて、EU経済法へとつながっていく。

ただ、ドイツ経済法は当初は大陸法系の国だから、
行政庁がその取締りの主体と考えられていたのが、
第二次大戦中にナチスに弾圧されていたオルドー自由主義の考え方が、
戦後発見されて、経済復興のために利用されるようになると、
最終的には裁判所に持ち込んで判断するという動きになってきた。
(アメリカに接近)。

そして、ローマ条約以降、統一した経済法をもつことが、
市場を統一し、EU統合を促進するということが理解された。

さらに、国際経済のグローバル化による、企業からの規制の統一に対する圧力が、
ヨーロッパにおける経済法をアメリカに近いものにしようとしている。

もっとも、EU加盟国が増えてくると、中央でコントロールできなくなったため、
一時的に各加盟国が、第一次的判断を行うようになって、
ズレが生じていた部分もあったが、
2004年から、EU法が各加盟国に全面的に適用されるようになった。

経済法分野における経済学的分析の導入の理由は、
アメリカとヨーロッパでそれぞれ異なる。

アメリカではケースロー故の、予測可能性が低いのを補うために、
経済学的分析を利用としている。

これに対してヨーロッパでは、経済法という概念を、
ソビエト崩壊後に市場経済を有するようになった加盟国に、
EUにおける統一した概念として持ち込むためには、
言語の翻訳のさらに翻訳の翻訳、という手法よりは、
経済という共通の市場言語を用いたほうが、
統一的な概念を構築できるということによる。

*個人的には、このアメリカのケースロー(コモンロー、判例法)を通じての
帰納的に反トラスト法をとらえていく考え方と、
「正しい競争の過程」を定義して、それに対するabuseがあるか、という
演繹的に反トラスト法を捉えていく考え方の違いは、
医学における「症候群(複数の症状の組合せ)」から
病気を解明する帰納的考え方と、
「正しい臓器の働き」を観念した上で、それを阻害する「炎症」を定義づける
演繹的な考え方の対比と同じに思えて、とても面白い。
でも、これらの考え方の違いも、経済学的分析の導入により、
接近化傾向にあるのも、また面白い。

さて、最後にアジア。

アジアでは、インドネシアのように、世界銀行から支援の条件として、
経済法を持つように言われた国や、
中国のように、今まさに経済法を制定しようとしている国がある。
大事なのは自分たちの国のニーズに合わせた経済法を持つこと。

日本では、経済法は、企業の経済活動を阻害するものと受け取られがちなのに対して、
EUでは市場統合を促進し、市場経済を活発化するものと捉えられているという違いもある。

**********************************
ふいー、大まかな話の内容はこんな感じだったはず。
[PR]
by catsleeps | 2007-05-23 11:09 | 経済法のこととか