日々のだらだらを


by catsleeps
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私人間適用

少なくとも三菱樹脂の判決は、
どこをどう読んでも無適用説だなあ、
というのは、労働法のケースブックを読んでて思いました。
***

そもそも、人権規定が対国家という関係において主張できる、
とされている理由は、実定法としての憲法の名宛人が国家であるためでした。

この意味において、人権は、国家権力対国民という、
いわば縦の関係において働く。

では、それがどうして、
私人間という、いわば横の関係においても
働くといえるのか。

間接適用説は、ドイツから輸入された学説ですが、
ドイツでは、憲法に客観法的側面と、主観法的側面があるとされているそうです。

客観法的側面は、憲法価値を全法秩序として保障するもので、
主観法的側面は、個人の人権が侵害されないという個別的な防御権みたいなイメージ。

そして、戦う民主主義といわれるように、
この客観法的側面は、国民に対しても向けられた規範として働く、
だから、縦の関係だけでなく、私人間という横の関係でも、
間接的に適用されても問題はない、ということになるみたいです。

しかし、日本では、憲法は、国家権力を縛るものとして規定されていて、
その名宛人は、国民じゃなくて、やっぱり国家なのです。

芦部先生は、晩年、学会で、
日本にドイツ法的な憲法観を持ち込むことは危険だと
おっしゃってたそうです。

そうすると、日本国憲法下で、間接適用説を導入するのは、
一貫性に欠けるところがあって、
横の関係にも、人権の効力が及ぶとする
ロジックを組み立てる必要があることになります。

そこで、民法2条で、「個人の尊厳」というキーワードが入っているところから、
実体法上の「日本国憲法」ではなく、超実体法上の自然権が、
民法解釈に反映される、と考えるのがいいんじゃないでしょうか。

***
というのが、今日のあたりのお話でした。

ジュリストに掲載されていた論文読んだときから、
すごい納得してたので、今日の授業は非常にわかりやすかったです。
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by catsleeps | 2006-09-29 01:03 | 憲法のこととか