ガバナンスについての備忘。
会社の所有者が株主であることを前提に、
株主が経営者をコントロールするためのものがガバナンス、
経営者が会社の従業員をコントロールするのが内部統制、
という区分けをして、内部統制は、労働法=人事権の世界と考えることもできる。
他方で。
ガバナンスは、経営者を守るためのもの。
経営者が、自分の好きなように経営する中で、
よくよくリスクを考えずに行動して問題が起こると、
経営者が責任をとるということになってしまうけれど、
経営においては、判断に迷うことがあり、判断に迷うということは、
リスクがどちらに転ぶか分からない、五分五分の状況、ということ。
そういう状況に行く前に、経営者の想いだけで、選択をさせてしまうと、
問題が起こると解任という話にもなりかねない。
ちょっと待って、もう少し精緻に検討してみよう、ということで、
選択・決断にかかるリスクが五分五分の状況にさせることで、
誰が判断してもわからなかったという状況になり、
それが経営者を守ることになる。
つまり、ガバナンスは、決してブレーキをかけるものではなく、
リスクの判断を精緻化するためのもので、長期的にほどよいリスクをテイクする、
ということを可能にし、経営者を守るとともに、経営における選択肢を増やす、
自由度を高めるもの。
そして、大企業になれば、それは社外取締役等に制度化されていくけれど、
スタートアップでは、現実的には難しい。
でも、ちょっと待って、もう少し精緻に検討してみよう、
という複眼的、岡目八目的思考が、ガバナンスの根底にある
(チェックアンドバランス)とすると、社長がすべてのことを行うのではなく、
権限を委譲して、それを第三者的にチェックする発想を持つことで、
複眼的に検討することができるということが、
小規模な会社におけるガバナンスの実装の第一歩、
ということになるようです。
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by catsleeps
| 2021-02-03 10:29
| 企業法務のこととか