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by catsleeps
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カテゴリ:民事訴訟法のこととか( 1 )

これ、似たような事案を演習で扱いましたよね。

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5 原審の判断のうち,抗告人に対する本件訴状等の送達は補充送達として有効であるとした点は是認することができるが,前訴判決に民訴法338条1項3号の再審事由がある旨の抗告人の主張は理由がないとした点は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

(1)民訴法106条1項は,就業場所以外の送達をすべき場所において受送達者に出会わないときは,「使用人その他の従業者又は同居者であって,書類の受領について相当のわきまえのあるもの」(以下「同居者等」という。)に書類を交付すれば,受送達者に対する送達の効力が生ずるものとしており,その後,書類が同居者等から受送達者に交付されたか否か,同居者等が上記交付の事実を受送達者に告知したか否かは,送達の効力に影響を及ぼすものではない(最高裁昭和42年(オ)第1017号同45年5月22日第二小法廷判決・裁判集民事99号201頁参照)。

したがって,受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等が,その訴訟において受送達者の相手方当事者又はこれと同視し得る者に当たる場合は別として(民法108条参照),その訴訟に関して受送達者との間に事実上の利害関係の対立があるにすぎない場合には,当該同居者等に対して上記書類を交付することによって,受送達者に対する送達の効力が生ずるというべきである。そうすると,仮に,抗告人の主張するような事実関係があったとしても,本件訴状等は抗告人に対して有効に送達されたものということができる。以上と同旨の原審の判断は是認することができる。

(2)しかし,本件訴状等の送達が補充送達として有効であるからといって,直ちに民訴法338条1項3号の再審事由の存在が否定されることにはならない。同事由の存否は,当事者に保障されるべき手続関与の機会が与えられていたか否かの観点から改めて判断されなければならない。すなわち,受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるため,同居者等から受送達者に対して訴訟関係書類が速やかに交付されることを期待することができない場合において,実際にもその交付がされなかったときは,受送達者は,その訴訟手続に関与する機会を与えられたことにならないというべきである。そうすると,上記の場合において,当該同居者等から受送達者に対して訴訟関係書類が実際に交付されず,そのため,受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされたときには,当事者の代理人として訴訟行為をした者が代理権を欠いた場合と別異に扱う理由はないから,民訴法338条1項3号の再審事由があると解するのが相当である。

抗告人の主張によれば,前訴において抗告人に対して連帯保証債務の履行が請求されることになったのは,抗告人の同居者として抗告人あての本件訴状等の交付を受けたAが,Aを主債務者とする債務について,抗告人の氏名及び印章を冒用してBらとの間で連帯保証契約を締結したためであったというのであるから,抗告人の主張するとおりの事実関係が認められるのであれば,前訴に関し,抗告人とその同居者であるAとの間には事実上の利害関係の対立があり,Aが抗告人あての訴訟関係書類を抗告人に交付することを期待することができない場合であったというべきである。

したがって,実際に本件訴状等がAから抗告人に交付されず,そのために抗告人が前訴が提起されていることを知らないまま前訴判決がされたのであれば,前訴判決には民訴法338条1項3号の再審事由が認められるというべきである。
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by catsleeps | 2007-03-25 13:27 | 民事訴訟法のこととか