日々のだらだらを


by catsleeps
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法曹人口論

日弁連会長選挙の関連のブログとか、
ニュースを読んでみたのですが、
マスコミは、相変わらずの報道ぶりで、
さすがだと思います。

取材するとか、分析するとか、
難しいんですね、と思いました。

全国に52個ある単位会で、
宇都宮先生が最多票を獲得した弁護士会は、
横浜、埼玉、千葉県、茨城県、栃木県、群馬、
山梨県、長野県、新潟県、京都、兵庫県、奈良、
滋賀、愛知県、三重、岐阜県、福井、金沢、
富山県、広島、岡山、鳥取県、島根県、
福岡県、佐賀県、大分県、熊本県、鹿児島県、
沖縄、仙台、福島県、山形県、岩手、秋田、
青森県、札幌、函館、旭川、徳島、高知、愛媛だそうです。

すごいですねー。

今回の選挙は、法曹人口を減らす方向で行くのか、
現状維持で行くのかというのが大きな対立点だったそうですが、
これらの単位会で宇都宮先生が勝ったということは、
これらの単位会では、
「最終的に、自分たちの既得権益を守るための日弁連!」
という先生が多かったということなんでしょうかねえ。

司法制度改革審議会の言ったことが別に良いとも思えませんし、
かといって、法務省のように、毎年検察官の採用数を減少させて、
何も言わずに司法制度改革審議会の意見書なんて無視逆行する省庁もあります。

それに比べれば、まだ正々堂々としている感じがしますが、
相変わらずの司法過疎地域があったりする中で、
弁護士の数を減らせというのは、
「市民のための司法」を実現することになるのか?
というのは強く疑問に思うところ。

なんとなく矛盾が気になる年頃なのです。

このブログを一般の弁護士ユーザの方が見られているとは思いませんが、
上記地域にお住まいの方がいたら、ぜひ投票の理由を聞いてみてください。

地方じゃ弁護士が増えて食べていけないんだよー、って、
東京でも、昔と同じ仕事の仕方をしていたら食べていけませんよ。

でも、弁護士会で報酬基準を定めることが独禁法違反になりますよ、
という話があったときに、弁護士の先生方は、
この業界も自由競争原理で動くって、
気づいていたはずですよねえ。

そんなこんなで、
僕も事務所を移籍することになりました(ぉ。



が。それはさておき。

実は、合格者数の減少を主張している場合、
なにも手当がなされないということにはなりません。

今まで過払い金の回収等で協力し合ってきた、
司法書士の先生方がいるじゃないか!
ということになり、今、全国で問題になっている簡裁代理権の問題とかは、
むしろ何も対策ができず、ということになるという噂も良く聞きます。

何人か恫喝された先生もいるとかいないとか。

この記事で挙げた43単位会の多数派の先生方は、
そのあたりのこと、よくわかって投票されているのでしょうから、
「自分たちの既得権益を守るなんて、とんでもないことです!」
「他士業の先生方と手を取り合って共存共栄していくんです」
と言われるのかなー、と思います。

ちなみに司法書士会では、家事調停と執行関係の狙ってるとかいないとか。
なんで執行?と思われるかもしれませんが、
その先には破産手続という大きな目標があるそうで、
いわゆるフットインザドアというやつですね。

で、実際に多数派で投票している同期の先生方は、
今ロースクールにいる後輩のこととか忘れて投票しているようで、
本当にそれでいいのかなあ、と思ってみたり。

今年の出願者数は1万人を超えているそうですから、
合格者が公約通り1500人になれば、
合格率は、15%ですねえ。

本当にそれで、優秀で多様な社会経験を持つ人材が、
それまでの地位を捨てて法律家になる動機づけが出るだろうか。

国会議員様とか、お役人様とか、学校の先生とか、
バッシングする報道を多くみかける昨今ですが、
単なる弱い者イジメ(マスコミが叩くだけ叩いて反論可能性がない)
にしか見えないときもあったりなかったり。

自分が優秀だとは毛ほども思いませんが、
裁判官とか、検察官とか、弁護士の上の方とか、
役人とか、議員とか、学校の先生とか、人が大事な仕事には、
それこそ国のトップレベルの能力と情熱を持った人になってもらいたいなー、
と思ったりするので、それなりに経済的な動機づけも必要だと思うのですが、
そういうことを嫌うのが、日本の国民性なんでしょう。

外国みたいに、地位が高くなればなるほど稼ぐけど、
その分寄付するみたいな方が、建設的だと思います。

日本だと、地位が高くなってもお金を要求する(そもそもお金の話をする)ことが、
はしたないことのように思われて、天下りとか、資産隠しとか、
いろいろ問題になるような。

閑話休題(まだ続くのか)。

今までの話をひっくり返すようでもありますが、
そもそも、日本の弁護士数が少ないという話は、
欧米との比較ででてきた話なのですが、
欧米では、日本の行政書士や司法書士に相当する仕事まで、
全部弁護士がやっているので(大雑把なまとめです)、
単純に「弁護士」という肩書きでの比較はできないのです。

弁護士の数が諸外国と比較して少ないという統計データにも、
切り口による嘘が混じってますし、他方で、弁護士増えすぎ、
という話にも、一向に採用を増やさない検察庁とか、
不景気で採用を大手事務所が控えたりとか、
地方でのニーズとか、いろんな要素があるので、
そのあたりを整理しないと簡単に結論は出ないと思います。

そうそう、話を脱線させると(脱線好きです)、
日弁連で、ずいぶん期が上の先生から、
新司法試験経由の弁護士に対し、概略、
「おまえたちは過疎地域やインハウス用に数を増やしたんだから、
もっと頑張ってそういう分野に進出しろよ」と言われました。

別な会議でも、「ロースクールは害悪なもので、
きみたちは、いわば毒樹の果実だ」と言われました。

本音を話してもらえて、とてもうれしかったです。

上の先生方が思ったとおりに、
過疎地域やインハウスに行く人数が少ないからって、
合格者数を減らされるのにも、唯々諾々とする必要もないでしょうし、
10年後にも、相変わらず同じことを言われないように、
頑張っていきたいと思いまーす。
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by catsleeps | 2010-02-09 15:26 | 弁護士業務のこととか